雑談は進化の産物

X:イルカやサルはコミュニケーションができるといわれているけど、人間みたいに話し合っているのかな

B:もちろん彼らも言語を使う。だけど、彼らは一方を呼んだり、注意を促したりすることができるだけで、人間ほど複雑なコミュニケーションはできないんだ。「気をつけて!」とか{ライオンだ!」とかは合図ができるんだけど、「川岸にライオンがいるから、あそこにいる仲間たちに知らせて!」とまでは伝えることはできないんだ。

X:じゃあなんで人間は複雑な文章を作れるの?

B:一番信じられているのは、人間は様々な音を出せることなんだ。人間は様々な音を組み合わせたり削ったりして、合図を送ることができる。第三者の立場にたって話すこともできるからね。

X:他にはどんな説があるの?

B:もうひとつは、社会性を高めるためといわれている。前回でも言ったように、人間は子孫繁栄のために協力しなければならなかったため、情報を共有するようになった。そして、その中で最も活躍するのが、ゴシップだ。

X:雑談だね、みんなよくするよね、タブロイドとかもそうだし、夕刊もその類だなぁ

B:そう、雑談って実は人間が生き残る上で発達した能力なんだ。しかも、雑談の大半は人の不幸なことになりがちだよね。お昼休みに、学生が第一次世界大戦の功罪を赤裸々と語るのをみるかい?

X:いたとしても少数だし、聞いている方もなんだか違和感を感じるのかも。大半の人は雑談しているね

B:雑談をすることで、自分の周りの人間関係を円滑にする働きがあるのかもしれないね。ただ、なぜ雑談の内容が他人の不運な話になりがちなのかは、まだ分からないけど、もしかしたら、他人の不幸自慢をすることで話している仲間たちの結束力みたいなものを高めようとしているのかな

人間の自尊心と生物の絶滅

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X:この本のある章の中でこんな文章を見つけたんだ。

When Charles Darwin indicated that Homo Sapiensit. is just another kind of animal, people were outraged. Even today many refuse to believe it.

この文は、人間がネアンデルタール人やホモエレクトスなどの他の人種を抹殺した説のあとに続くんだけど、これって私達の生活の身近なところにないかな、って思えたんだ。君はどう思うかい?

B:たしかに、多くの生き物たちは人間が絶滅に追い込んだと言われているね。現代で起きる殺人事件にも共通したもの、例えば最近日本であった障碍者殺害事件にも似たような構造が見られるね。身近なところでは、学校のいじめも「他者とを分離して人より上にたとうとしたがる気持ち」が感じられるかもしれないね。

X:僕の周りだと、プライドの高い人によく見受けられるなぁと思うんだ。彼らの多くは下劣なものを避けて、高尚なものに魅かれるでしょ?だけど、他者よりも自分を自分の中で高い位置にもってくるがために、自分の間違いを認められなかったりするよね。

B:そういった気持ちが文明が興る前から人間の中にあったら、とても崇高な生き物だったんだろうね。ただ残虐さが裏目に出てしまったってことを除いて。

出産があんなに痛い理由は、実は人間が社会性の高い生き物であることに現れていた

X:出産って、男性が耐えられないほどに痛いっていうじゃない?なんで子孫を残すことが自然の摂理なはずなのに、人間の出産はあんなに痛みを伴うの?

B:巷では「四足から二足歩行になったから」とか聞くけど、さらに深堀すると、面白いことが見えてくるんだ。私達サピエンスはサヴァンナで生き抜くのに前足は必要なくなっていったのは知っているね?

X:その前足が手になってさらに脳とリンクするように神経回路ができたんだよね。

B:そう。二足歩行のおかげで、人間は様々な道具を作るようになったんだけど、その代償として私達は凝りやすい首や姿勢を崩しやすい背中を手に入れたんだ。ただ、もっとひどいことが女性にふりかかったんだ。

X:というと?

B:二足歩行によって骨盤が狭くなった結果、胎児が通る管に曲がりが生じたんだ。その結果、流産が多くなり、子孫を残しにくくなった。そして、人間は頭の体積が大きいから、できるだけ小さい状態で生む必要が生じた。

X:だから他の動物よりも子育てに時間がかかるのか!

B:その通り。ちょうど子育てが終わる頃には人間の脳や体も大人とかわらなくなるでしょ?そういうことなんだ。

X:それがどうして人間が社会性に高いことにつながるの?

B:子育てに時間がかかると、子供を見てくれる人が母親以外に必要だよね。獲物を捕まえたりするのにね。そこで、人間は協力して子育てをすることを覚えたんだ。みんなで分担して子育てを行えば、さらに子孫を残せると、遺伝子は考えたんだね。

X:なるほど。そう考えると、現代社会は矛盾だらけだね。

#1 ボノボ

ボノボ:ところで、ボノボってなにさ

人間ってチンパンジーが祖先っていわれてるけど、ボノボっていうおサルとも同じくらい近い種にあたるんだ

ボノボ:チンパンジーの方が知られてるみたいだからチンパンジーにしてしまえばいいのに

ボノボ:実はね、ここでは君の世界について書くんだよ。それってときどき批判することもあるってことなんだ。だけど、人間はチンパンジーを猛獣としているから、僕がチンパンジーの立場になってしまうと色々と不都合なことがあるんだ、だって彼ら同じ人種同士で争うし、共食いも躊躇わないもん

確かに、共食いするような生き物に人間のことどうこう言われる筋合いはないね。ボノボはどうなの?

ボノボ:僕たちももちろん生き物だから、喧嘩するときもある。だけど、緊張が高まる前に、ニャンニャンするから、それが潤滑油になって関係を解せるんだ。これは性関係ないからね

すごい社会だね。俺たちは、おおっぴろに不特定多数の人とニャンニャンすると社会が維持できなくなっちゃうから、夜や個室でするよ。でも君たちは、その代わりご飯を隠れて食べるんでしょ?

ボノボ:他のおサルは自分のを横領するみたいだけど、僕たちは違うんだ。僕たちは食料が豊富な場所で育ったから、相手に分け与える習慣があるんだよ。ま、たまに自分のものにしちゃうサルもいるけどね

そっかー、まるで俺たちと同じような世界だね、コミュニケーションの仕方を除いて笑

ボノボ:今度は、ボノボとチンパンジーとヒトの関係についてまた話すよ

記憶を辿るために

ずいぶんまえから、サルに対する興味は、自分のひとつひとつの行動のより所に感じていた。食欲とか睡眠欲と性欲とか、生きるのに必要不可欠とされることに疑問を感じたとき、サルの行動はいつもその説明のより所だった。そんなのだったから、何か壁にぶつかった時、サルに対する興味が掻き立てられていた。大学生になってから、いろんなことに対する疑問が常にあり続けて、処理仕切れなくってきた気がした。処理できても、そのとき考えたことを、記憶を形に残したいと思うようになった。それもサルの視点から。中学三年生のときから日記は書いていたんだけど、大学からはスマホに記入するようになったけど、中でも「これは頭で整理したいなぁ」って思ったものは書いていこうと思う。

ここでは、サルのボノボと人間の対話編で書いていこうと思う。僕が一番読書で退屈しない形だからね。あと、友人には一切公開しない予定だから、頭に浮かんだ言葉をありのままのに書こうと思う。校正しないからと語彙力とか文章力とか滲み出てしまって恥ずかしいけど、まぁ、それは大目に見てね。