出産があんなに痛い理由は、実は人間が社会性の高い生き物であることに現れていた

X:出産って、男性が耐えられないほどに痛いっていうじゃない?なんで子孫を残すことが自然の摂理なはずなのに、人間の出産はあんなに痛みを伴うの?

B:巷では「四足から二足歩行になったから」とか聞くけど、さらに深堀すると、面白いことが見えてくるんだ。私達サピエンスはサヴァンナで生き抜くのに前足は必要なくなっていったのは知っているね?

X:その前足が手になってさらに脳とリンクするように神経回路ができたんだよね。

B:そう。二足歩行のおかげで、人間は様々な道具を作るようになったんだけど、その代償として私達は凝りやすい首や姿勢を崩しやすい背中を手に入れたんだ。ただ、もっとひどいことが女性にふりかかったんだ。

X:というと?

B:二足歩行によって骨盤が狭くなった結果、胎児が通る管に曲がりが生じたんだ。その結果、流産が多くなり、子孫を残しにくくなった。そして、人間は頭の体積が大きいから、できるだけ小さい状態で生む必要が生じた。

X:だから他の動物よりも子育てに時間がかかるのか!

B:その通り。ちょうど子育てが終わる頃には人間の脳や体も大人とかわらなくなるでしょ?そういうことなんだ。

X:それがどうして人間が社会性に高いことにつながるの?

B:子育てに時間がかかると、子供を見てくれる人が母親以外に必要だよね。獲物を捕まえたりするのにね。そこで、人間は協力して子育てをすることを覚えたんだ。みんなで分担して子育てを行えば、さらに子孫を残せると、遺伝子は考えたんだね。

X:なるほど。そう考えると、現代社会は矛盾だらけだね。